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「人口1人あたりの紙の消費量ランキング(国別)

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インフォグラフィック作成:@wsra

 

 2012年末に32億枚以上が発行された日本郵便の年賀はがき。2003年をピークに発行枚数は年々減少しているものの、年始の挨拶状としての需要は健在です。

 年賀はがきといえば、2008年初頭に発覚した「環境偽装<のことを覚えていますか? ある製紙会社の社員が、自社で製造していた年賀はがき用紙について「公称40%の古紙配合となっていますが、当社では1%しか含まれていません」という内部告発メールをニュース番組宛に送ったことが発端でした。ほどなくして、再生紙を販売していたメーカー21社中17社が古紙配合率の偽装を行っていたことが明らかになり、大きく報道されました。

 問題の年賀はがきは古紙配合率40%とされていましたが、これを守ると黒ずんでしまい郵便番号読み取りなどに支障が出るため、「品質を維持しながら古紙配合率を上げることが技術的に困難だった」と、告発された製紙会社は後に弁明しています。

 食品の偽装表示問題が記憶に新しい昨今ですが、食品の偽装と古紙配合率の偽装は根本的に異なります。古紙配合率を低く偽装して作られた紙の質はむしろ上がるからです。古紙の需要は世界的に増加傾向にあり、仕入れ価格が上昇しているため、製造コスト面でも偽装による製紙会社のうまみは無いに等しいのです。では、なぜ偽装が行われたのでしょうか?

 一見環境にやさしいイメージがある再生紙ですが、紙のリサイクルと二酸化炭素の発生量の関係は非常に複雑です。森林を伐採して作られたバージンパルプを原料とする紙よりも、古紙配合率100%の紙の方がトータルの二酸化炭素発生量が多くなってしまうケースもあります。こうした事実よりもイメージが売り上げに影響してしまうことが、偽装の理由の一つだったとも考えられます。

 このインフォグラフィックは人口1人あたりの紙の消費量と古紙回収率を表したものです。1位がベルギーというのはちょっと意外に感じませんか? 理由として「書類などを3つの公用語(フラマン語、フランス語、ドイツ語)で併記することがあるため、紙の消費量が増えてしまう」との説がありますが、公用語が4つあるスイスがトップ10にランクインしていないことを考えると疑問が残ります。

 エコロジー先進国のイメージが強い北欧各国やドイツも上位に食い込んでいます。日本はというと第7位。世界に200近くある国の中で7位ですから褒められたものではありませんが、回収率78%はまずまずの数字といっていいでしょう。

 しかし、紙のリサイクルよりも前にやるべきは紙の無駄遣いを減らすこと。自国内のことだけでなく地球規模で、イメージ先行ではなくトータルで環境負荷を抑えることを常に注視する必要がありますね。

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 フランスの女性ジャーナリスト、マティルド・セレルが書いた『コンバ』には、<再生紙年賀はがきスキャンダルの解説などエコロジー関連のトピックが満載。今日から1人でもできるアクションが多数紹介されています。

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2016-07-29 | Posted in インフォグラフィックComments Closed