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「魚を棲めなくする力! 水質汚染力ランキング~生活雑排水 食物編」

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インフォグラフィック作成:@wsra

 

 夏バテで食欲がなくなっていた方もようやく調子を取り戻す季節ですね。今回は揚げ物を調理したあとの油(以下、天ぷら油)の末路の話です。揚げ物をする時は一度に大量の油を使うため、家庭内での処理は常に悩ましい問題です。冷まして新聞紙に染みこませたり、専用の凝固剤で固めるなどして燃えるゴミにというのが一般に広く知られている処理方法ですが、家庭から出る使用済みや賞味期限切れの天ぷら油の回収に自治体や企業体が力を入れていることをご存じでしょうか。

 このインフォグラフィックは、油や調味料等の食材を台所から排水すると、どのくらい水質を汚染するかを表しています。これらの数値はBOD(Biochemical Oxygen Demand=生物化学的酸素要求量)という、汚水処理で最も重要な指標の一つです。排水中の食材は微生物の栄養になりますが、栄養が増えると微生物がそれにともなって増え、同時に微生物が必要とする酸素の全体量も増えます。このときの酸素の量がBODで、水が汚れるほど数値が増えていきます。

 魚が棲める川のBODは、以下の通りです。

・ヤマメ、イワナ2mg/リットル以下

・アユ、サケ…3mg/リットル以下

・コイ、フナ…5mg/リットル以下

 食材を含んだ排水のBOD負荷は大きく、カロリーが高いものほどBODも高くなる傾向にあります。たった大さじ1杯の天ぷら油でも、4500リットルの水(浴槽約15杯分)で薄めないとコイやフナが棲める数値にならないのです。ちなみに、大さじ1杯の緑茶のBODは約11mgで、油に比べるとはるかに低いのですが、魚が棲めるようにするためにはやはり希釈が必要な数値であり、むやみに流していいわけではありません。

 飲食店などから出る業務用の廃食用油は広く回収され、家畜飼料の添加油脂や塗料、石けんの原料などに加工・再生されていますが、自治体等の回収で集められた各家庭の使用済み天ぷら油も、実はバイオディーゼル燃料(BDF)などに再生されているんですよ。バイオディーゼル燃料は、混合比率を調整すれば専用の車でなくともそのまま使用できる、廃食用油リサイクルの優等生。燃やした時に出る黒煙が少なく、 の原因である硫黄酸化物もほとんど出ないという長所もあります。バイオディーゼル燃料車」というステッカーが貼られた公営バスやゴミの収集車を見かけたら、使用済み天ぷら油が生まれ変わって動力になっている可能性大? 

 台所から油を流さないのはもちろんですが、燃えるゴミとして出すよりもさらに有意義なのがリサイクル。まだまだ天ぷら油回収の認知度は低いようです。まずは知ることから始めてみてください。

 

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2016-07-29 | Posted in インフォグラフィックComments Closed