出版便り

【書評】都電 懐かしの街角〜昭和40年代とっておきの東京

 

『都電 懐かしの街角〜昭和40年代とっておきの東京』 紹介各紙

 


『進学レーダー 2005年5月号 「特集:読書で合格!」』

「鉄研OBの手がけた本で思わぬ出会い」


 武相の鉄道研究同好会のOB達が、鉄道関係の出版物やDVD・ビデオソフトなどの企画・製作集団BRCプロを結成し、活躍しているが、04年12月、写真集『都電 懐かしの街角 昭和40年代とっておきの東京』を出版した。
撮影は、鉄道写真家・天野洋一で、氏は本書の刊行を待たず亡くなったが、病床でも写真のセレクトにあたっていたという。
 同書の表紙は、昭和45年当時の都電・飛鳥山駅ホームで遊ぶ子どもたちの写真だが、刊行してまもなく、「写っているのは小学校時代の私と友人達です」という連絡が出版社にあった。その人は知人に教えてもらって驚き、また懐かしくもあったそうだ。
 武相・鉄研の顧問・山田京一先生は、
「同会は、鉄道オタクになってはいけない、がモットーです。今回のように、鉄道を介した人と人のつながりを実際に体験したことは、生徒たちに良い刺激になったと思います。」と話す。  

 


『デーリー東北 2005年2月1日(火) 朝刊』
「今や消え去った貴重な昭和を記録」


 1972年(昭和47年)、荒川線を残して廃止されるまで、都電は当たり前のように東京の風景に溶け込んでいた。都電とそれに寄り添うように生きた人々をとらえた写真集。
 東京五輪直前の全盛期には、軌道総延長213キロ、41系統。1197もの車両が都民の足となっていた。朝のラッシュ時には、サラリーマンや学生で停留所はごった返し、幹線道路の真ん中を車両が忙しく行き来した。電車とともに写るのは、今や消え去った昭和の風景だ。リヤカーを引く自転車、大きな風呂敷を背負った行商の女性、停留所を遊び場にする子供たち。東京人ならずとも、懐かしさを感じるだろう。
 編著のBRCプロは、資料性の高い鉄道関連書の製作で定評があるグループ。撮影者の天野洋一氏は50年にわたり活躍した鉄道写真家で2004年2月に死去、本作が事実上の遺作となった。  

 


『北日本新聞 2005年1月16日(日)朝刊』
「貴重な昭和の記録」


 1972年(昭和47年)、荒川線を残して廃止されるまで、都電は当たり前のように東京の風景に溶け込んでいた。都電とそれに寄り添うように生きた人々をとらえた写真集。
 東京五輪直前の全盛期には、軌道総延長213キロ、41系統。1197もの車両が都民の足となっていた。朝のラッシュ時には、サラリーマンや学生で停留所はごった返し、幹線道路の真ん中を車両が忙しく行き来した。電車とともに写るのは、今や消え去った昭和の風景だ。リヤカーを引く自転車、大きな風呂敷を背負った行商の女性、停留所を遊び場にする子供たち。東京人ならずとも、懐かしさを感じるだろう。
 編著のBRCプロは、資料性の高い鉄道関連書の製作で定評があるグループ。撮影者の天野洋一氏は50年にわたり活躍した鉄道写真家で2004年2月に死去、本作が事実上の遺作となった。  

 


『旅行読売』 2005年4月号(No.648号)「特集:関東・関西ぶらり春の花散歩」



 巻頭に、祭りの人波に埋まる都電の写真と往事の路線図が載っている。昭和47年11月11日をもって、荒川線(早稲田〜三ノ輪)を残し東京から姿を消すまで、都電がいかに身近な存在だったかが伝わってくる。
 昨年亡くなった鉄道写真のプロの写真をもとに、実績ある製作集団が編んだ写真集(B5判)である。モノクロ写真206点を14地域(区)に分け収録している。表紙をリバーシブルにするなど、仕立てにも凝る。
 東京駅前を走る都電、湯島の梅を車窓から眺める乗客、都電と高速道路、一般道が交錯する渋谷駅前など、どのカットも過ぎし時代を映し出す。前景・後景をなす人々や街角が懐かしい。
「昭和40年代とっておきの東京」という副題も頷ける。  

 

 


『サライ』 2005年3月3日号(No.384)「大特集:サクラガサイタ」
「昭和40年代東京の路上風景が記憶の底に蘇る、優れた写真集」



 昭和38年10月から都電は徐々に路線を廃止していった。47年11月、荒川線(新宿区早稲田〜荒川区三ノ輪橋)だけを残し、ついに路線網は全廃する。
 本書は、かつて都会の路上で風景の主役を担っていた、都電の姿の記録だ。各写真は路線のあった区別に分けられ、車両形体と撮影年月日を付して撮影地点の簡潔な解説が綴られる。《3000形 門前仲町〜永代二丁目 昭和46年8月15日 富岡八幡宮の祭礼と深川まつり。数十基の御輿が永代通りを埋め尽くす。まき込まれた電車は走るのをあきらめ一緒に祭りを楽しむしかない》。
 文章からでも、脳裏に街角の映像が浮かび、写真を確認したくなってしまう。都電の印象が私たちに深く刻み込まれていることを、改めて認識させられる。優れた編集の成果を随所に感じる。  

 


『鉄道ダイヤ情報』 2005年3月号(No.251)「特集:湘南新宿ライン下篇」



 モノクロ写真による鉄道写真集。これまでに幾多の書籍、写真集のテーマに取り上げられてきた都電だが、本書に収録されている写真は、車両よりも、都電とともに生きる人々をテーマにしている感がある。
鉄道をこよなく愛しつづけた天野洋一氏の遺作集だ。

 


散歩の達人 2005年2月号(No.107)「特集:千住 THE 下町」
「ページをめくる冒険」



 都電が走る懐かしの風景を集めた写真集。どの写真がどの電停、どの区間で撮影されたものなのか、簡単な路線図と対照できて便利だ。
 舞台は昭和40年代。都電が廃止されてゆく時代である。だからなのか、いずれの写真も、ノスタルジーとともに一抹の悲哀を漂わせている気がする。車の波に飲み込まれ、あるいは祭りの喧噪に紛れて、心細げに佇む都電。風景の片隅にチラリと見えるその姿が、たまらなく愛おしい。

 

 


『鉄道ピクトリアル』 2005年3月号(No.758)「特集:常磐線今昔」



 鉄道会社勤務のかたわら末期の都電の姿を記録し続け、出版の夢を抱き続けながら2004年に他界した天野氏の作品を収録したオールモノクロ写真集。

 


『鉄道ジャーナル』 2005年3月号(No.461)「特集:車両色の現在」



 昭和40年代の東京都電の写真集。都電が走っていた都内14区と荒川線の各所で撮影。表紙写真のように沿線の人々が生活する場面の一部として撮影されたモノクロ写真206点を収めている。
 撮影地や専用・併用軌道の区別など、くわしいデータの入った路線図つき。
 表紙のカバーはリバーシブルで裏側は黄地に赤帯の旧都電標準カラーをあしらった別の表紙になっている。 

 


『鉄道ファン』 2005年3月号(No.527)「特集:101系その顔の世界」



 都電をこよなく愛して写真を撮り続けてきた天野氏の遺作を、親交のあったBRCプロがまとめたのがこの写真集である。都電の走った都内14区と旧王子電軌時代の雰囲気が残っていた頃の荒川線に分けて構成してあり、馴染みある区ごとに懐かしい都電の姿を楽しむことができる。また全カットごとに対応した撮影地図も掲載されている。各区ごとに都電に関する話、都電の歴史・電停名の変更・160形から7500形式までの17形式の車両説明などが氏のカットとともに記されており、ラストにはいつどこの路線が廃止され各区から都電の消えた日も解るようになっている。
 しかし本書の大きな特徴は、40年近く前の都内の街並みやそこで暮らす人々にポイントを置いた作品が中心になっていることにより、生活の中に溶け込んでいた都電の姿を現代へ伝えていることであろう。鉄道に興味のない方々にも十分見応えのある内容となっており、東京の昭和史資料としても貴重な写真が多数収録されている。
 6000形のペーパークラフト付き。
 なお、表紙カバーは写真編・イラスト編のリバーシブル仕様になっており、裏面は700形をモチーフとしてある。


『朝日新聞』 2004年12月28日(火)朝刊
「都電 愛し撮った206枚」



 かつて東京の街を走っていた都電を昭和40年代の街並みとともに写した写真集『都電 懐かしの街角』(明元社)が刊行された。2月に亡くなったアマチュア写真家天野洋一さん(当時68)=横浜市中区=の遺志を継いだ妻の郁代さん(63)が夫の写真仲間に呼びかけて実現した。
 都電をこよなく愛したという天野さん。1カット、1カットに天野さんの思いが投影され、評判だという。

 写真集に掲載されているのは全206カット。江東・墨田・台東の下町から、中央や港などのオフィス街まで、計14区の都電の風景が、解説や路線図とともに収められている。また、資料編として、廃止路線図が年代順に載せてあるので、都電の歴史が一目で分かる。鉄道ファンはもちろん、これまで都電に縁の薄かった人も楽しめるように編集されている。
 天野さんは都電をこよなく愛していたという。幼いころから鉄道好きで、趣味が高じて相模鉄道に入社、定年まで勤め上げた。運転士として勤務したこともある。
 本格的に写真を始めたのは1961年に郁代さんと結婚してから。休日になると、カメラを持って各地の鉄道や風景などを撮った。60年代半ばから、特に情熱を注いでいたのが当時、廃止されつつあった都電や、地元の横浜市だった。
 昨年4月、健康診断で大腸がんが見つかったときは、すでに手遅れの状態だった。病床でこれまで撮りためた写真を整理するなど、写真集出版に向けて準備を進めていたが、今年2月24日に亡くなった。68歳だった。
 線路際で遊ぶ子どもたち、編物をしながら電車を待つ行商の女性――。洋一さんの都電の写真には、沿線の人たちの何げない暮らしぶりが切り取られている。「いままでの都電の写真集とは、ちょっと趣が異なるカットが数多くある」と鉄道ファンにも好評だ。
 郁代さんは写真集をめくりながら、こう語る。
「主人は独特のアングルで都電を撮り続けました。常々、『誰が見てもきれいなものを写すのではない。写真だからこそ、きれいだ、と感じるものを撮りたい』と言っていました。どれもそういう写真です。主人の最後の願いがかなえられて良かった・・・」

2011-05-28 | Posted in 出版便りComments Closed